No.1537 2017/07/21(金)

 ヤマブドウハトックリフシ


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 三島小の校庭で見つけた不思議なもの(写真1)。これが何かおわかりだろうか。トゲだらけのつる植物にも見えるし、奇怪な無脊椎動物の触手のようにも見える。
 その正体はエビヅルの茎にできた虫こぶである(写真2)。エビヅルはブドウ科のつる植物で、房総丘陵の林縁でよく見られる。「虫こぶ」とは、植物に寄生する昆虫が原因で植物体にできた「こぶ」である。この虫こぶには「ヤマブドウハトックリフシ」という名が付けられており、ヤマブドウなどのブドウ類の葉にできることが多い。写真の例は葉ではなく茎にできたもの。
 この虫こぶを作らせた犯人はハエの1種で、ブドウトックリタマバエという。1つのこぶは長さ約9ミリ(写真3)。縦に2つに割ってみると、中央部は空洞になっていて、中に黄色い幼虫が1匹入っている(写真4)。幼虫の大きさは約1ミリ。まだ若齢のようだ。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3

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写真4

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 エビヅル Vitis ficifolia(ブドウ科)

 ブドウトックリタマバエ Cecidomyia viticola(タマバエ科)

 


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