No.1541 2017/08/11(金)

 クロコノマチョウの幼虫


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 三島小の校庭にて。ススキの葉にとまったイモムシを見つけた(写真1)。クロコノマチョウの幼虫だ。体長4センチほど。鮮やかな黄緑の身体に黒い頭が特徴的。頭には1対の長い突起があり、正面から見るとまるでウサギの顔のように見える(写真2)。成虫は地味な褐色で、森の木の間をぬうようにして飛ぶ(写真3)。
 もともと主に南日本に分布していたチョウだが、徐々に分布域を北に広げ、千葉県では1980年代ころから見られるようになった。1990年代後半には数が増え、房総丘陵の林内で最もよく見かけるチョウという印象があった。近年は東北地方にまで分布を拡げているらしい。ところが、私の感覚では2010年代には房総丘陵ではその数が少なくなってきたように感じていた。その理由はわからない。
 この日、三島小で見つけたこの幼虫も久しぶりに見た気がする。ススキの葉といっしょにポリ袋に入れて観察していたら、8/17に前蛹(ぜんよう)になった(写真4)。前蛹とは蛹になる直前の幼虫の状態で、吐いた糸でお尻を固定し、ちょうど「?」マークを逆さにしたような体制でぶら下がる。翌8/18の朝には透き通るような黄緑色の美しい蛹になった(写真5)。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3

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写真4

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写真5

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 クロコノマチョウ Melanitis phedima(タテハチョウ科)

 


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