No.1548 2017/09/08(金)

 稚ガニ誕生


dummy

 川に入るとよく出会う生きものにサワガニがいる。以前の日記にも書いたが房総のサワガニは青い色の個体が多い。自然界に青い色というのは少ないので、川の中でもよく目立つ。多くの生きものは目立たないよう、周りの環境と似たような色であることが多いのに不思議である。
 今回見つけたサワガニは、ちょうどお腹に稚ガニを抱きかかえているメスであった(写真1,2)。サワガニは多くの人にとって馴染みのあるカニだが、他のカニと比べて変わった生態をいくつか持っている。まず一生を淡水域で過ごすこと(モクズガニなども川で生活するが繁殖は海でおこなう)。次に、多くのカニは卵から孵(かえ)った時点では親とは違う姿(幼生)をしているが、サワガニは卵から孵った時点で、すでに親と同じ姿をしていることがあげられる。卵から孵化(ふか)するまでの期間はだいたい1ヶ月くらいと言われ、孵化した後もしばらくの間は抱えられて育つ。独り立ちしてくれるまで母ガニは大変である。
 (後藤亮)

dummy
dummy
写真1
dummy
dummy
写真2
dummy
dummy

 サワガニ Geothelphusa dehaani(サワガニ科)

 モクズガニ Eriocheir japonica(イワガニ科)

dummy


ニュース一覧へもどる