No.1563 2017/11/13(月)

 オオトビサシガメ


dummy

 清澄山系、東大千葉演習林の圃場にて。
 さし木苗を養生するビニールシートの上に大きなカメムシが張りついていた(写真1)。体長25ミリほどもある。オオトビサシガメである。
 オオトビサシガメは成虫で越冬する。11月中旬ともなると、樹皮の下のすき間などにもぐり込んで冬に備えている頃だが、ビニールで覆われ、温室状態になったシートの上は暖かいのだろうか。このサシガメは大きさの割に平たい身体をしている(写真2)。そのためすき間に入り込みやすいのだろう。越冬のため人家の戸のすき間などに入ってくることもしばしばある。
 サシガメの仲間は昆虫等の小動物を餌としていて、その名の通り硬い針のような口で獲物を「刺す」。通常、針状の口は折り曲げて身体の下に隠れている。写真3では、複眼の下に折り曲げられた口が写っている。 ちょうど、ゾウが長い鼻を手前に曲げて前脚の間に隠しているような様子だ。オオトビサシガメを手づかみにする時は注意を要する。この口で刺されると、飛び上がるほど痛いからだ。向こうから人を襲うことはないので、手づかみにしなければまったく危険はないのだが。
 (尾崎煙雄)

dummy
dummy
写真1
dummy
dummy
写真2
dummy
dummy
写真3
dummy
dummy

 オオトビサシガメ Isyndus obscurus(サシガメ科)

 


ニュース一覧へもどる