No.1569 2017/12/01(金)
オオキンカメムシ
三島小教室博物館の机の上にメモと共に虫の死体が置かれていた(写真1)。小学生のMくんが自宅の畑で見つけ、届けてくれたものだ。 オオキンカメムシというこの虫はカメムシ類の中では大きい方で、体長は2センチを超える。黒とオレンジ色の斑紋が鮮やかで美しい(写真2)。腹面はほぼ黒色だが、腹部の中央2節に赤い斑紋がある(写真3)。 オオキンカメムシは南方の昆虫で、東南アジアから日本にかけて分布する。夏には北日本でも成虫が見られるが、成虫が越冬できる北限は千葉県南部の沿岸まで。三島小のある君津市では越冬の記録はない。Mくんが見つけてくれたこの死体も、低温に耐えられず息絶えたものと思われる。 気候変動の影響で三島小のあたりでも越冬するオオキンカメムシが見られる日が来るのだろうか。楽しみのような怖ろしいような想像である。 (尾崎煙雄)
オオキンカメムシ Eucorysses grandis(キンカメムシ科)