No.1618 2018/7/11(水)

 マンリョウ


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 清澄山系にて。陽当たりのよい場所に生えたマンリョウ(写真1)。不思議なことに、この株には赤い果実と白い花が同時に着いていた(写真2)。マンリョウの赤い実といえば正月の縁起物になるくらいだから、マンリョウの実は冬に熟すものだ。7月はマンリョウの開花期だが、同時に赤い実があるのは普通ではない。理由はよくわからない。
 マンリョウの花は小さく、直径8ミリほど(写真3)。花冠は5つに別れ、花の中央に5本の雄しべが集まっている。雄しべの葯(やく;花粉の入った袋状の器官)は黄色で、赤褐色の斑点がある(写真4)。集まった葯の真ん中からのびた細い紐のようなものが雌しべで、その先端が柱頭(ちゅうとう;花粉を受け取る部分)。
 マンリョウといえば果実を愛でるものだが、小さくて地味な花もよく見れば美しいと思う。

 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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写真4
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 マンリョウ Ardisia crenata(サクラソウ科【A】、ヤブコウジ科【E】)

 【A】:APGIII体系、【E】:新エングラー体系

 


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