小櫃川上流にて。若いモミの木の根元に生えたシャクジョウソウ（写真１、２）。菌従属栄養植物（または菌寄生植物）といい、葉緑素を持たず、菌根菌（他の植物の根と共生するキノコの仲間）から栄養を得る。この場合は、おそらくモミの根と共生する菌根菌から栄養を獲っているのだろう。
　２年前の７／２３には咲き始めの花を見つけたが、今年はすでに花が終わりかけている。今年は開花が早かったようだ。
　花を咲かせた１０本ほどの茎に混じって、褐色になった昨年の茎が見える。昨年の茎には果実が着いている。シャクジョウソウの花はうつむいて咲くが、果実になると上を向く。

　（尾崎煙雄）

　モミ　Abies firma（マツ科）

　シャクジョウソウ　Monotropa hypopithys（ツツジ科【Ａ】、イチヤクソウ科【Ｅ】）

　【Ａ】：ＡＰＧIII体系、【Ｅ】：新エングラー体系