No.1624 2018/7/20(金)

 ギバチの子供


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 房総丘陵を流れる川の上流を歩いたところ、多くのギバチの子供(幼魚)がいた(写真1,2)。大きさは1センチ程度で、体が黒色をしているため、一見するとオタマジャクシのように見えるが、よく見ると胸鰭(むなびれ)やひげがあるので、ギバチであるとわかる。近くには大人(成魚)のギバチもいた(写真3)。ギバチは東日本に広く分布していたが、最近では減少している所が多い。一方で、近縁種であるが元々は西日本にしか分布していなかったギギが東北や北陸で確認されている。日本国内であっても人間の活動によって元々分布していなかった場所に移されると、生態系に大きな影響を与えるため問題である(国内移入種の問題)。しかしながら、ブルーギルやオオクチバスなどの国外外来種についての危険性は広く認識されているが、国内移入種についてはまだまだ認知度が低い気がする。いつまでもこのオタマジャクシのような子どもたちに会えるよう、自然を守っていかなければならない。

 (後藤亮)

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 写真1
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写真2
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写真3
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 ギバチ Tachysurus tokiensis(ギギ科)

 ギギ Tachysurus nudiceps(ギギ科)

 ブルーギル Lepomis macrochirus macrochirus(サンフィッシュ科)

 オオクチバス Micropterus salmoides(サンフィッシュ科)

 


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