No.1627 2018/8/3(金)

 ショウジョウトンボ


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 三島小の校庭にて。サルビアの花の先に止まったトンボがとても涼しげに見えた(写真1)。最初はウスバキトンボかと思ったが、翅の付け根に鮮やかな橙色の模様が見えたのでショウジョウトンボの雌とわかった。
 ショウジョウトンボの雄は全身が鮮やかな赤色である(写真2)。古典芸能の能に登場する「猩々(しょうじょう)」という架空の動物の装束が全身真っ赤であるところから、ショウジョウトンボと名づけられたようだ。ショウジョウトンボの雄は、その色のせいでいわゆる「赤トンボ」とよく間違えられる。
 いわゆる「赤トンボ」はアカネ属(Sympetrum)に属するトンボの総称で、房総丘陵でよく見られるのはナツアカネやアキアカネなど。例えばナツアカネは秋になると全身真っ赤になる(写真3)。一見、ショウジョウトンボの雄とよく似ているが、胸の側面の模様や翅の付け根の色などに違いがある(写真4、5)。
 また、アカネ属のトンボの雄が赤く色づくのは秋になってからで、真夏には赤くない。房総丘陵で8月に全身真っ赤なトンボを見たら、それはショウジョウトンボの雄だ。

 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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写真4 ショウジョウトンボ雄
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写真5 ナツアカネ雄
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 ウスバキトンボ Pantala flavescens(トンボ科)

 ショウジョウトンボ Crocothemis servilia(トンボ科)

 ナツアカネ Sympetrum darwinianum(トンボ科)

 


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