君津市の山中の道で、道路脇の枯れ木に雪が積もったように白くなっているのを見つけた(写真1)。
近寄って見ると、白い綿毛を持つ多数の果実であることがわかった(写真2)。カラスウリの実と比べてかなり小さい。これはボタンヅルの果実だ(写真3)。ボタンヅルはつる性の植物で、8月の下旬に咲いていた純白の花(写真3)がこのように姿を変えたものだ。
さらに近寄ってくわしく見ると、5個程度の果実が星型に集まり全体として直径3センチ程度の集まりになっている(写真4)。それぞれの果実の先端からは1センチ程度の軸が伸び、この軸に白い綿毛が密生している。この「軸」は花の時の雌しべの名残りである。
いかにも風に乗って飛びそうな果実だが、真冬の今も枯れたつるから離れずに残っているということは、果実を飛ばすのによい時期を待っているのであろうか。
(尾崎煙雄) |