No.1673 2019/3/6(水)

 イワカラタチゴケ


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 房総丘陵にて。崖地に生えるヒメコマツの調査中、岩の表面に生えた「植物のようなもの」(写真1)を見つけた。差し渡し1円玉と同じくらいの「株」を成して生えている(写真2)。フリーズドライの菜っ葉のような質感。地衣類の仲間だろうとは思ったが、初めて見るものだった。砂岩の表面にまばらに生えている(写真3)。
 採集したサンプルと写真を当館の地衣類専門家に見てもらったところ、「イワカラタチゴケ」と即答された。名前に「ゴケ」とつくが、コケ植物ではなく地衣類の一種。
 この場所は高さ30メートルほどの西向きの垂直な崖の真ん中あたり(写真4)。写真4に写っているロープに懸垂して15メートルほど降りた所だ。イワカラタチゴケはこのような崖を好んで生育するようだ。こんな風に、崖にぶら下がってみないと気づくことのない生物がいるのが面白い。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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写真4
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 イワカラタチゴケ Ramalina yasudae(サルオガセ科)

 


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