No.1685 2019/4/5(金)

 アオキ


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 房総丘陵の林道にて。常緑低木のアオキが茂っている(写真1)。この植物はシカの好物である。かつてアオキは房総丘陵の至る所で繁茂していたが、シカの密度が増えた地域ではすっかりアオキが少なくなってしまった。この場所はまだシカの分布範囲の端または外に位置するのでアオキが茂っている。

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写真1
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 今はちょうどアオキの花の時期である(写真2)。アオキには雄株と雌株がある。雄株には雄花だけが咲いている。一つ一つの花は径7〜8ミリで、雄花には4つの雄しべがあり、薄黄色の葯(やく)が目立つ(写真3)。葯とは雄しべの先端にあり花粉が入った袋状の器官のこと。葯が破れて花粉が外に出ており、よく見ると赤紫色の花弁の上にも小さな花粉の粒が付いているのがわかる。

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写真2
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写真3
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 別の場所で雌株を見つけた(写真4)。雌株には赤い実がなっているのでわかりやすい。雌花には雄しべがなく、かわりに花の中心にある雌しべが発達している(写真5)。
 (尾崎煙雄)

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写真4
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写真5
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 アオキ Aucuba japonica var. japonica(アオキ科)

 


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