No.1701 2019/5/23(木)

 カブトムシ


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 清澄山系にて。渓谷沿いの道脇で立ち枯れた広葉樹を見つけたので、朽ち木を好む昆虫を探した。この枯れ木はかなり腐朽が進んでいて、ちょっと触っただけで簡単にぼろぼろと崩れた(写真1)。

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写真1
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 枯れ木の中に隠れていたたくさんの幼虫が姿を現した(写真2)。体長10センチほどもある巨大な幼虫だ。手のひらに乗せるとずっしりと重い(写真3)。カブトムシの幼虫である。身体の割に脚は貧弱で歩くことは不得意だが、立派な大あごを持ち、これで朽ち木を食べてここまで育ったのだ(写真4)。

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写真2
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写真3
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写真4
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 まだ崩れていない枯れ木の中にも埋もれるようにしてカブトムシの幼虫がいた(写真5)。もうすぐ蛹になり、7月ころには成虫が羽化するはずだ。
 森の地面に倒れた朽ち木の下などではカブトムシの幼虫がよく見つかるが、このように立ったままの枯れ木の中にこれほど多くの幼虫がいるとは驚きだ。この渓谷の湿度が高く、一年中乾燥することがないからなのだろう。うるおいのある渓谷は多くの生物を育む貴重な環境だ。
 (尾崎煙雄)

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写真5
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 カブトムシ  Trypoxylus dichotomus(コガネムシ科)

 


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