清澄山系にて。スダジイの朽ちかけた倒木に何かが生えている（写真１）。

　無数の細かい針状の突起が垂れ下がるように密生して、まるでブラシのようだ（写真２）。

　これはキノコの仲間で、サガリハリタケという。枯れ木を分解する腐朽菌（ふきゅうきん）の１種だ。針状の突起は長いもので１センチほどで、表面に胞子をつける。針状突起は膜状の基質から重力方向に垂れ下がるように伸びていて、その様子はまるで鍾乳石のようだ（写真３）。

　近くの別の倒木にはさらに大きな塊があった（写真４）。こちらは幹に沿って横長に広がり、その幅は４０センチ以上であった。
　（尾崎煙雄）

　サガリハリタケ　Radulodon copelandii（カンザシタケ科）