教室博日記 No.1764

 2020/01/29(水)

 ミヤマガラス

 冬に農耕地が近くにある場所でハシボソガラスの群れを見かけたら、要注目である。通年よく見られるハシボソガラスの中に、冬にしか見られない別のカラスが混ざっているかもしれないからである。

 市原市の内陸部、田んぼが広がる一帯を車で走っていた時、電線に止まるハシボソガラスの群れを見かけた(写真1)。安全な路肩に駐車して観察を始めた。

  • 写真1 電線に止まるカラスの群れ

 いた。ミヤマガラスである(写真2)。ハシボソガラスに比べて、嘴の基部が白っぽく、額との間に段差があるように見える(写真3)。また、嘴があまり湾曲せず、まっすぐでとがるのも特徴である。全体で50羽ほどだった群れのうち、1~2割くらいがミヤマガラスと識別できた。ミヤマガラスの中には、嘴や額の特徴が典型的でない個体もいて、ハシボソガラスとの識別には注意が必要である。

  • 写真2 ミヤマガラス
  • 写真3 嘴や額のシルエットが異なるミヤマガラス(下の電線)とハシボソガラス
  • ミヤマガラス Corvus frugilegus(カラス科)
  • ハシボソガラス Corvus corone(カラス科)
  • ※カラスの色彩をわかりやすくするため、画像を一部加工しています。

(平田和彦)