教室博日記 No.1774

 2020/02/20(木)

 冬にやりたい鳥の巣さがし

 2月2日にいすみ鉄道に乗車した際、西畑駅停車中に車内から鳥の巣を見つけていたので、それを確認しに行った。“駅前の一等地”にあるその巣は、最初の発見時と同様に、遠目にもすぐに見つけられた(写真1)。ヒヨドリかモズのものと思われた(写真2)。この2種の巣は、産座の深さで見分けられる場合が多いのだが、残念ながら巣の内側を覗くことができなかったので、種を特定できなかった。

  • 写真1 駅前にある鳥の巣
  • 写真2 ヒヨドリかモズの巣

 しかし、今回はそのことはあまり大きな問題ではない。この日記で書きたいのは、巣の“家主”や“建材”の話ではなく、特に夢中で探していたわけでもないのに、列車の中から簡単に見つけられたことについてだ。

 巣とは、言うまでもなく鳥が卵を産み、雛を育てる場所である。それが、このように目立つところにあっては、天敵にもすぐに見つかってしまうだろう。でも大丈夫。繁殖の季節は春から夏にかけてなので、その時季には枝の先までしっかり葉っぱが茂り、外からは見えにくかったはずだ。夏に私がいすみ鉄道に乗ったとしても、きっと巣の存在に気づくことはなかっただろう。

 逆に言えば、もし巣を探すなら、木が葉を落とす冬がオススメということだ。読者のみなさんも、これから葉が茂る前に、鳥の巣を探してみてはいかがだろうか。そして、発見したら、ぜひ博物館に教えていただきたい。

  • ヒヨドリ Hypsipetes amaurotis (ヒヨドリ科)
  • モズ Lanius bucephalusi (モズ科)

(平田和彦)