教室博日記 No.1804

 2020/05/13(水)

 ヒロバトガリエダシャクの幼虫

 元清澄山系にて。イボタノキのつぼみにヒロバトガリエダシャクの幼虫がいた。美しい白色の背中がまぶしいほどだ(写真1)。

イボタノキのつぼみにいたヒロバトガリエダシャクの幼虫
  • 写真1

 頭にある大きな黒紋が目玉のように見えるが、黒紋の前の両脇に並んだ小さな点が本当の目(個眼)だ。こんな目ではたいして物は見えていないだろう(写真2)。

ヒロバトガリエダシャク幼虫の目
  • 写真2 矢印の先に並んだ点が本当の目(個眼)

 鱗翅類(チョウ、ガの仲間)では、たいてい幼虫の食べ物(植物など)に親が卵を生み付ける。幼虫時代は餌を探し回る必要もないから、目があまり見えなくても困らないのだろう。ちなみに昆虫の成虫は、多くの個眼が集まった複眼を持つ。

  • イボタノキ Ligustrum obtusifolium(モクセイ科)
  • ヒロバトガリエダシャク Planociampa antipala(シャクガ科)

(斉藤明子)