教室博日記 No.1823

 2020/06/24(水)

 オオゴムタケ

 房総丘陵にて。道の脇に転がった朽ち木にキノコが生えていた(写真1)。

森の地面に転がった朽ち木
  • 写真1

 あまりキノコらしく見えないが、これはオオゴムタケというキノコの一種だ(写真2)。直径5センチほどのお椀型で、上面は濃い褐色できめが細かい。

朽ち木に生えたオオゴムタケ
  • 写真2

 側面は密生する褐色の毛に覆われている(写真3)。

オオゴムタケの側面に密生する褐色の毛
  • 写真3

 その名のとおり、このキノコにはゴムのような弾力がある。ゴムというよりもグミキャンディのような感触といった方が近いかもしれない。キノコを割ってみると、この感触の理由がわかる(写真4)。

オオゴムタケを割ってみたところ
  • 写真4

 オオゴムタケの内部には灰褐色のゼリー状物質が詰まっており、これを包む丈夫な皮層とあいまって弾力に富む感触をもたらしている(写真5)。このゼリー部分は美味しそうにも見えるが、無味無臭で無毒。

ゼリー状の組織からなるオオゴムタケの内部
  • 写真5
  • オオゴムタケ Galiella celebica(クロチャワンタケ科)

(尾崎煙雄)