教室博日記 No.1827

 2020/07/02(木)

 ケイワタバコ

 清澄山系にて。6月18日にケイワタバコの花が咲き始めていた場所。前の日記では30センチを超える大きな葉や、30個以上の花をつけた立派な株などを紹介した。同じ場所で1輪だけ花をつけたケイワタバコを見つけた(写真1)。

1輪だけ咲いたケイワタバコ
  • 写真1

 花茎に毛が密生しているところなど、ケイワタバコの特徴を示しているが、なにかバランスがおかかしい(写真2)。

花茎に毛が密生したケイワタバコ
  • 写真2

 指先と見比べればわかるとおり、このケイワタバコはとても小さい(写真3)。葉の長さは2〜3センチしかなく、まるでミニチュアだ。しかし、1輪だけ咲いた花は普通のケイワタバコとほぼ同じ大きさ。

石の上に生えたケイワタバコ
  • 写真3

 この株は岩壁ではなく道端に落ちた30センチほどの石の上に生えているのだ(写真3)。こんな場所に生えてもわずかな水や養分しか得られないだろう。そんな立地にもかかわらず1輪だけでも花を咲かせる。ケイワタバコにはそんなしたたかな力があるをことに驚いた。

まるでケイワタバコのミニチュア
  • 写真4
  • ケイワタバコ Conandron ramondioides var. pilosus(イワタバコ科)

(尾崎煙雄)