教室博日記 No.1851

 2020/08/14(金)

 再開した三島小教室博物館

 新型コロナウイルスの感染防止のため、臨時休館が続いていた三島小教室博物館が、8月14日(金)から再開した(写真1、2)。

再開した三島小教室博物館の建物
  • 写真1
再開した三島小教室博物館の室内の様子
  • 写真2

 半年近く休館していた教室の入口をそっと開け(アライグマの住処になっていたらどうしようという一抹の不安があった)、窓を全開し、風を通した(写真3)。入口を塞ぐように伸びた夏草を鎌で刈り、短いホースで何度も水まきをして涼をとりながら、開館の準備をした(写真4)。4月の初めに貼った臨時休館を伝える紙をはがし、感染防止対策(検温、消毒、マスク着用)の紙に張り替え(写真5)、体温計と手指消毒用のアルコールを置いた。お盆週間にもかかわらず、午後から6名の方が来館してくださり、三密にならないよう教室の外で話がはずんだ。今後は毎月第2、第4金曜日の11時~16時半に開館していく。

窓を開けた三島小教室博物館
  • 写真3
再開した三島小教室博物館
  • 写真4
入口に貼られた感染防止対策の紙
  • 写真5

 この半年間は、あっという間に時が過ぎていった。コロナの状況がよく飲み込めないまま、3月初旬、中央博物館本館、分館、生態園、そして三島小教室博物館の臨時休館が決まり、博物館から人影が途絶えた。今年の3月は三島小にとっては、長い歴史を終える非常に大切な時期だったと思うが、それらに伴う行事も縮小あるいは中止となったようだ。仕方ないこととは言え、やり切れない思いであったと思う。

 博物館も3月中は通常勤務が続いていたが、4月中旬、さらに状況が悪化し、職員も3日に一度出勤するほぼ在宅勤務状態となった。ひとりでパソコンと向きあう仕事の能率は上がったが、あまり達成感はなかった。緊急事態宣言が解除された5月下旬、通常勤務に戻り、本館・分館・生態園園路は、様々な感染防止対策をとった上での開館(園)となった。さらに夏になって生態園オリエンテーションハウス(土日祝のみ)と三島小教室博物館の再開となった。しかしほぼすべての博物館の講座、観察会等の行事は中止となり、まだ再開の見通しは立っていない。教室博物館をベースに行っている「山の学校」が一度も開催できないことは残念でならない。

 この半年でわかったことは、ほとんどの人にとっては、専門的な話であれ、雑談であれ、直接誰かと話をすることで理解と関心が深まるということと、博物館は野外での活動と一体となってこそ真価を発揮するという、ごくあたり前のことだ。まだ当面この状況が続くのであれば、新しいやり方を模索していかなくてはならないと思う。

(八木令子)