教室博日記 No.1852

 2020/08/21(金)

 シリジロヒゲナガゾウムシ

 大多喜町の山中にて。この日はあまりに暑いので炎天下を避けて沢を歩いた。やっと見つけた虫が、沢沿いに落ちていた細い枯れ枝についていたシリジロヒゲナガゾウムシだ(写真1、体長約8ミリ)。

枝に止まるシリジロヒゲナガゾウムシ
  • 写真1

 先月はシロヒゲナガゾウムシを見たが、それとは別種のヒゲナガゾウムシだ。尻が白いことから和名が“シリジロ”となったのだろうが、良く見てみると白っぽい部分は上翅(じょうし)の後端と尾節板(腹部の最後部の露出した背板)だ(写真2)。

シリジロヒゲナガゾウムシの尻白の部分
  • 写真2

 触角が短く先が太く扁平になっているのでこれは雌だ。触角の先を枝にピタッと付けて止まっている(写真3)。この木が産卵に向いたものかどうか、触角の先で触れて判断するのだろうか。あるいは、写真3の様子を見ると、太い触角を脚のように使って体を安定させているのかもしれない。

触角を枝に付けて止まっているシリジロヒゲナガゾウムシ
  • 写真3
  • シリジロヒゲナガゾウムシ Androceras flavellicorne(ヒゲナガゾウムシ科)
  • シロヒゲナガゾウムシ Platystomos sellatus(ヒゲナガゾウムシ科)

(斉藤明子)