教室博日記 No.1874

 2020/10/15(木)

 オオハナアブの身繕い

 君津市の山中にて。冷たい雨の中、オオハナアブが葉の上で身繕いをしていた。晴れていればこの時期でも盛んに飛び回るのだろうが、冷たい雨で飛ぶこともできないようだ。

 ハエやアブが前脚をこすり合わせたり、脚で目や翅などをこすっている様子はよく見かける。小林一茶の「やれ打つな蠅が手をすり足をする」という有名な句がある。この句は、ハエが命乞いをしているように見えた、と解釈されるようだが、実際は、体の感覚が鈍らないよう、目や体の感覚毛についたゴミや水分を払い落とすために脚でこすっているのだ。

 雨の中、オオハナアブが身繕いしていた葉の上は水浸しだ。それにもかかわらず、びしょ濡れの脚を摺り合わせている様子が可愛らしくて、動画を撮った。前脚に注目。

  • 動画
  • オオハナアブ Phytomia zonata(ハナアブ科)

(斉藤明子)