教室博日記 No.1877

 2020/10/16(金)

 駅前古墳―上野塚(うわのつか)古墳

 11月の観察会の下見ということで、久しぶりにJR内房線青堀駅で下車した(写真1)。駅前から小糸川下流の方に向かって歩き始めようとしたところ、ロータリーの西側にこんもりとした高まりがあるのに気づいた(写真2)。その人工的なかたちから古墳かなと思い、近づいてみると、富津市教育委員会の「富津市指定史跡 上野塚古墳」の解説プレートと、古墳の実測図がコンクリート壁に組み込まれていた(写真3)。今まで何度かこの駅を利用したが、その時は目に入っていなかったようだ(見れども見えず・・・)。

  • 写真1 JR内房線青堀駅
  • 写真2 駅前ロータリーの西側の高まり
  • 写真3 コンクリート壁に組み込まれた上野塚古墳の実測図

 解説プレートによると、上野塚古墳は、小糸川沖積低地に分布する内裏塚(だいりづか)古墳群のひとつで、最も海岸線に近い位置にある小規模な前方後円墳ということである。周溝内から出土した須恵器や土師器から、築造は古墳時代中期(5世紀末頃)ということで、内裏塚古墳群の中で2番目に古い古墳ということだ。この古墳は駅前ロータリーの整備事業で発掘調査が行われ、その後一部が削られて保存されている(写真4)。

  • 写真4 一部が削られて保存されている上野塚古墳

 青堀駅の周辺には徒歩でも行ける範囲に多くの古墳がある。また青堀駅の跨線橋を渡って、駅の反対側(東口)の方に出ると、富津市の史跡情報案内所「古墳の里 ふれあい館」がある(写真5)。最初にここを見てから、古墳めぐりをするといいようである。

  • 写真5 青堀駅東口の「古墳の里 ふれあい館」

(八木令子)