教室博日記 No.1882

 2020/10/28(水)

 クサカゲロウの幼虫

 君津の山中にて。めっきり少なくなった虫の姿を求めて、目をこらしながら森を歩いた。すると、樹皮の割れ目にわずかな違和感を感じた。よく見ると長さ5ミリほどのゴミのかたまりがあった。クサカゲロウの幼虫だ(写真1)。

樹皮にとまるクサカゲロウの幼虫
  • 写真1

 クサカゲロウの幼虫は、カモフラージュのためにゴミを背負って暮らしている(教室博日記No.1460)。幼虫を手のひらに乗せて、体に纏ったゴミを少し後に寄せると、幼虫の頭胸部があらわになって長く鋭い大顎が見えた(写真2)。クサカゲロウは、この大顎で他の昆虫を補食する肉食昆虫だ。

長く鋭い大顎をもつクサカゲロウの幼虫
  • 写真2

 森の中で見事に身を隠しているこのような昆虫を見つけると、やった!という小さな満足感が得られる。

  • クサカゲロウの一種 Chrysopidae sp.(クサカゲロウ科)

(斉藤明子)