教室博日記 No.1900

 2020/12/11(金)

 ホトケノザ

 木更津市内にて。休耕田の片隅でホトケノザの花が満開であった(写真1)。図鑑によってはホトケノザの花期は春から初夏と書かれているが、このように冬に咲いているのを見ることも珍しくない。そこで、これまでに撮影したホトケノザの花の写真を見直してみた。

  • 写真1 12月に満開のホトケノザ

 11月に咲いているものがあった(写真2)。このように秋にも咲くことがある。

  • 写真2 2010年11月19日撮影

 霜の降りる厳冬期の1月にはさすがに咲かない(写真3)。

  • 写真3 2020年1月24日撮影

 かと思えば、そうでもない。1月にもしっかり咲いていることもある(写真4)。

  • 写真4 2002年1月25日撮影

 2月の積雪の中で咲いていることもある(写真5)。

  • 写真5 2013年2月20日撮影

 3月、啓蟄の頃にはそこここで花を目にするようになる(写真6)。

  • 写真6 2020年3月6日撮影

 4月の陽光の下で野原一面に咲く(写真7)。

  • 写真7 2020年4月14日撮影

 こうしてみるとホトケノザの花期は少なくとも半年に及ぶことがわかる。ホトケノザの種子は秋に発芽し、緑葉のまま冬を越して初夏に枯れ、夏は種子で過ごす。このような生活史を「冬型一年草」または「越年草(えつねんそう)」という。本格的な開花期は3月以降のようだが早いものは11月に開花するのだから、ホトケノザは地上に姿がある期間の大半で花を咲かせることができるといえそうだ。

  • ホトケノザ Lamium amplexicaule(シソ科)

(尾崎煙雄)