教室博日記 No.1914

 2021/02/12(金)

 水路にできた鍾乳石

 君津市の山中にて。放棄水田が続く谷津を谷の奥まで歩いた。両側に崖が迫り、道も獣道だけになって先に進むのが難しくなってきたあたりで、真っ直ぐに空いた穴を見つけた(写真1)。水を引くために先人が手掘りで造った水路だ。

先人が手掘りで掘った水路
  • 写真1 

 この水路は、真っ直ぐで短く、かがまなくても入れる高さだったので通り抜けてみた。途中、天井につららのような鍾乳石が並んでいた(写真2)。大きさは、長いもので7センチ程度だっただろうか(写真3)。地層の中の石灰分を含んだ地下水がしみ出して、鍾乳石に成長したのだろう。

孔の天井に並ぶ鍾乳石
  • 写真2
孔の天井に並ぶ鍾乳石(拡大)
  • 写真3

 房総丘陵には今でも車が通行可能な大きな手掘りのトンネルがいくつもあるが、そのようなトンネルの中でもときどき鍾乳石のようなものを見かける。房総丘陵の素掘りのトンネルについては教室博日記No.1897を参照してほしい。千葉の穴はいろいろおもしろい。

(斉藤明子)