教室博日記 No.****

 2021/02/26(金)

 ツクシショウジョウバカマ

 君津市の山中にて。ツクシショウジョウバカマの生育地を訪れてみた。さすがにまだ早いとは思ったが、案の定、まだ花は影も形もない。冬季には岩壁に貼りつくようにロゼット葉を広げているが、その株数が以前よりずいぶん多いように見える(写真1)。うれしいことにこの場所では個体数が増えているようだ。

 なお、千葉県産のショウジョウバカマ類については、『千葉県植物誌(2003)』ではシロバナショウジョウバカマとしているが、最新の研究ではツクシショウジョウバカマとされている(布施, 2012)。

  • 写真1 ツクシショウジョウバカマが群生した崖

 ロゼットの中心には花芽がふくらみ始めていた(写真2)。ここから花茎を伸ばし、その先に数個の白い花を 咲かせる。

  • 写真2 ツクシショウジョウバカマの花芽

 昨年は3月下旬に咲いていた(写真3)。今年はいつ頃咲くだろうか。狙いを定めてまた訪れようと思う。

  • 写真3 ツクシショウジョウバカマの花(2019/03/29撮影)
  • ツクシショウジョウバカマ Heloniopsis breviscapa var. breviscapa(シュロソウ科)
  • シロバナショウジョウバカマ Heloniopsis breviscapa var. flavida(シュロソウ科)
  • 【参考文献】
  • 千葉県史料研究財団編(2003) 千葉県の自然誌 別編4 千葉県植物誌.1181pp., 千葉県, 千葉.
  • 布施静香(2012) ショウジョウバカマ属(シュロソウ科).所収:新しい植物分類学I(編:戸部博・田村実)p.195-204., 講談社, 東京.

(尾崎煙雄)