教室博日記 No.1961

 2021/05/14(金)

 ヒメマルカツオブシムシ

 教室博物館にて。入口の前の花壇にフランスギクが綺麗に咲いていた(写真1)。その花にポツポツと3ミリほどの丸い甲虫が来ていた(写真2、3)。これはヒメマルカツオブシムシ、博物館の大害虫だ。

教室博前に咲くフランスギク
  • 写真1
フランスギク花上のヒメマルカツオブシムシ
  • 写真2
フランスギク花上のヒメマルカツオブシムシ(拡大)
  • 写真3

 カツオブシムシのなかまは幼虫が乾燥した動物質を食べる。家庭のタンスの引き出しの隅に5ミリくらいの毛むくじゃらの抜け殻があれば、たいていこの虫の脱皮殻だ。上等なウールのセーターなどを食べて穴を空けるが、安物のアクリル製品は餌とならない。博物館で発生すると、収蔵する動物の剥製や昆虫標本が食べられてしまうので、博物館にとっては大害虫である。

 この季節、気持がよいので入口の扉を全開にしていたが、なんと目の前に大害虫がいるではないか。標本の保存には防虫剤と密封が必要だ。

  • フランスギク Leucanthemum vulgare(キク科)
  • ヒメマルカツオブシムシ Anthrenus verbasci(カツオブシムシ科)

(斉藤明子)