教室博日記 No.1978

 2021/06/21(月)

 ルイスジンガサハムシ

 高宕山系にて。マルバアオダモの葉に爪でひっかいたような跡がいくつもある(写真1)。房総の森ではマルバアオダモの葉には必ずと言ってよいほどこの跡が見られる。

  • 写真1 マルバアオダモの葉についた跡

 周囲の葉を探すと、体長5ミリほどの虫が見つかった(写真2)。ルイスジンガサハムシの幼虫である。この幼虫はマルバアオダモの葉の表面をかじるように食べるので、その跡が褐色の筋となって残るのだ。

  • 写真2 ルイスジンガサハムシの幼虫

 この幼虫の本体は白っぽくて平たくたくさんの棘が生えた姿をしている。しかし、背中に糞や食べかすをまるで蓑(みの)のように背負っているので本体がよく見えない(写真3)。これも捕食を免れる術なのだろうか。

  • 写真3 蓑をまとったようなルイスジンガサハムシの幼虫
  • マルバアオダモ Fraxinus sieboldiana(モクセイ科)
  • ルイスジンガサハムシ Thlaspida lewisii(ハムシ科)

(尾崎煙雄)