教室博日記 No.1979

 2021/06/30(水)

 ビロードハマキ

 君津市の山中にて。ビロードハマキを見つけた(写真1)。ビロードハマキは頭から翅の先までが3センチほどのハマキガ科としては大形のガだ。

葉にとまるビロードハマキ
  • 写真1

 派手な色彩で、昼行性のガとされているが、この個体は飛び立ってもすぐに近くに落ちるように止まってしまうので、手の上に乗せてみた。静止している時は、前翅の柄と色彩が生かされ、とても奇抜な姿をしている(写真2)。上から見ると、どちらが頭なのか判りにくい。頭部は翅の模様にまぎれ、足も翅の下に隠れている。前翅端部のオレンジ色が見えている方がうしろである。

手の上のビロードハマキ
  • 写真2

 裏から見ると、オレンジ色に黒紋のある後翅が前翅周縁の縞模様にきれいに囲まれている(写真3)。

裏から見たビロードハマキ
  • 写真3

 頭部を前から見ると、顔面は真っ白な毛で覆われ、複眼は黒(写真4)。上から見て翅と区別できないはずである。このガの奇抜さは、私の乏しい語彙力では言い尽くせない。

ビロードハマキの頭部
  • 写真4
  • ビロードハマキ Cerace xanthocosma(ハマキガ科)

(斉藤明子)