教室博日記 No.2009

 2021/08/13(金)

 キリガイダマシの一種が密集する地層

 富津市内の海岸にて。この場所では、約70~80万年前の地層が観察できる。泥質砂岩中に細長い巻貝の化石が密集している(写真1)。

  • 写真1 キリガイダマシの一種の化石密集層(写真の上が地層の上位)

 近付いて観察すると、螺肋(らろく)の美しいキリガイダマシの一種だ(写真2)。地層ができた当時の海底に水流が存在すると、キリガイダマシの殻頂(尖っている部分)は、その上流側を向くと言われている。写真1では殻頂の配列に規則性は見られないことから、水流がほとんどなかったか、様々な方向の水流が存在したかのどちらかだろうか。海岸を一通り歩いて地層を観察したが、キリガイダマシの一種が密集しているのはこの層準だけだった。

  • 写真2 螺肋(らろく)の美しいキリガイダマシの一種の化石
  • キリガイダマシの一種 Turritella sp.(キリガイダマシ科)

(千葉友樹)