教室博日記 No.2022

 2021/09/17(金)

 アオサギガイ(二枚貝)とアオサギ(鳥)

 館山市内にて。この場所では、数千年前の内湾で形成された地層が観察できる。泥層中にウラカガミと呼ばれる二枚貝の化石が多く見られる(写真1)。二枚の殻が合わさった状態のものが多い。

  • 写真1 二枚貝化石(ウラカガミ、スコップの柄の長さは約10.5センチ、写真の上が地層の上位)

 アオサギガイは丸みのある楕円形の二枚貝だ(写真2)。殻表がツルツルで、さわると気持ち良い。どちらも内湾の泥底で暮らす二枚貝だ。現在の海では珍しい種で、生きている個体はなかなか見られない。数千年前の館山では普通種だったようだ。

  • 写真2 二枚貝化石(アオサギガイ、スコップの刃の長さは約6センチ、写真の上が地層の上位)

 この場所では、鳥のアオサギも見られる(写真3)。大型で背が灰色なため、遠目でもよく目立つ。アオサギガイ(二枚貝)とアオサギ(鳥)が一度に観察できる場所は珍しいと思う。

  • 写真3 アオサギ
  • ウラカガミ Dosinia corrugata(マルスダレガイ科)
  • アオサギガイ Psammacoma gubernaculum(ニッコウガイ科)
  • アオサギ Ardea cinerea(サギ科)

(千葉友樹)