教室博日記 No.2042

 2021/11/22(月)

 雨の日の養老川

 11月下旬、久しぶりに市原市田淵のチバニアンビジターセンターを訪ねた(写真1)。

  • 写真1 チバニアンビジターセンターの入り口(2021年1月29日撮影)

 それまで天気の良い日が続いていたが、前日の夜から雨が降り始め、当日もかなりひどい雨が降っていた(写真2)。

  • 写真2 雨に濡れた小湊鉄道月崎駅に到着する車両

 ビジターセンターで展示解説をしているガイドさんが、「今日は雨がひどくて地磁気逆転地層の観察はできませんよ」と教えてくれた。ビジターセンターでは、毎朝露頭の前の川の状態をチェックし、露頭観察が危険な場合は、「立入禁止」の表示を出している(写真3、4)。これはとても大切なことだ。

  • 写真3 養老川の状況によって変わるビジターセンターのメッセージ
  • 写真4 2021年11月22日の状況

 とは言え、その危険な状況の養老川を見てみたいと言うと、「河床に降りる階段の上までなら大丈夫ですよ」とのこと。それではと、同行の大学生と一緒に露頭の近くまで降りていった。

 養老川の本流が見える階段の上まで来ると、いつもとは違う真茶色な川が見えた(写真5)。水位もかなり上がっている。ちょうど1年くらい前の2020年10月に同じ所から撮った写真(写真6)と比べてみると、川の様子が違うのがよくわかる。通常は写真6のように、水位も数十センチメートルくらいで、階段の下は露岩が見えている。今日はどのくらい水位が上がっているのだろうか。たかだか半日の降雨(後で調べてみると、養老川上流の大多喜の降雨量は50ミリ弱)で、このように川の様子が変わってしまうのだと実感した(写真7)。

  • 写真5 水位が上がり茶色く濁った養老川(2021年11月22日)
  • 写真6 同じ所から撮影したほぼ1年前の養老川(2020年10月7日)
  • 写真7 少し上流の養老川(2021年11月22日)

 ちなみに2年前の2019年10月下旬の台風に関連した集中豪雨時には、この階段の上まで水が上がったようだ。水位上昇から1~2日後の写真を見ると(写真8)、水位はかなり下がっているが、階段の上まで砂が堆積しており、ここまで川が上がってきたのがわかる。この時は川が荒れ、その後数ヶ月間露頭見学はできなかった。今回の水位上昇とは比べものにならないほどの規模だった。

 いずれにしても降雨による川の変化にはいつも驚かされる。

  • 写真8 階段の上に新しい砂が堆積、ここまで水位が上がった(2019年10月 写真撮影:石井あゆみ氏)

(八木令子)