フィールドノート No.2127

 2022/06/03(金)

 サルノコシカケに人間は腰かけられるか

 富津市内の山中にて。朽木に何か付いている(写真1)。

  • 写真1 朽木に生えるサルノコシカケ(黄色三角)

 近付いて観察すると、サルノコシカケの仲間だ(写真2)。

  • 写真2 サルノコシカケ(レンズキャップの直径は約6センチ)

 木の一部のように見えるが、キノコの仲間だ。傘の下面は白っぽい色で、胞子の出る穴が見られる(写真3)。

  • 写真3 傘の下面の胞子の出る穴

 それにしても、サルノコシカケとはユーモアあふれる名前だ。ふと思ったのだが、サルノコシカケに人間が腰かけると、どうなるのだろう。気になったので、やってみた。「バキッ」と鈍い音を立て、木から剥がれ落ちてしまった(写真4)。

  • 写真4 木から剥がれ落ちてしまった

 このサルノコシカケは、一見すると大きくて立派だが、もう先が長くなかった(すでに死んでいた?)のかもしれない。木の裏側に回ると、小振りなサルノコシカケが付いていた。こちらは腰かけるまでもなかった。やさしくふれただけで、簡単に木からもげてしまった(写真5、6)。

  • 写真5 やさしく触れてみた
  • 写真6 簡単に木からもげてしまった

 キノコに詳しい同僚に写真を見てもらったところ、オオミノコフキタケかそれに近い仲間の可能性が高いという。名前を調べるには、顕微鏡を使って胞子を見る必要があるとのことだった。

  • オオミノコフキタケ Ganoderma australe(タマチョレイタケ科)

(千葉友樹)