フィールドノート No.2136

 2022/06/24(金)

 世界最大のガガンボ ミカドガガンボ

 旧三島小学校の校舎の壁に大型のガガンボが止まっていた(写真1、2)。

校舎の壁に止まるミカドガガンボ
  • 写真1
校舎の壁に止まるミカドガガンボ
  • 写真2

 開張(翅を広げた時の幅)は約9センチ。これはミカドガガンボという世界最大のガガンボで、脚を広げるとハエ目の中でも最大の種だ。腹部の末端が細くなっているのでこれは雌。近づいてもまったく動じることなくじっとしていた。

 昆虫の翅は通常4枚だが、ガガンボ類の属するハエ目の昆虫では翅が2枚である。後翅は飛ぶための機能を無くし、とても小さな平均棍(へいきんこん)と呼ばれる器官に変化している。これほど大型の種類では、この平均棍が肉眼でもよく見える(写真3の矢印)。

  • 写真3 ミカドガガンボの平均棍(矢印)

 平均棍は飛ぶときにバランスをとったり、空気の流れや震動を感知する働きがあり、これが無いとうまく飛べないのだそうだ。

 余談だが、2018年ギネス世界記録に「世界最大のガガンボの標本」として本種の標本が認定されている。その大きさは、脚を広げた大きさ25.8センチ、体長48.28ミリ、開張111.49ミリだそうだ。

  • ミカドガガンボ Holorusia mikado(ガガンボ科)

(斉藤明子)