フィールドノート No.2139

 2022/07/10(日)

 オビババヤスデ

 鴨川市内にて。森の中で大きなヤスデを見つけた(写真1)。体長は4センチほど。

  • 写真1

 オレンジがかった黄色と黒の縞模様が美しい。オビババヤスデである(写真2)。

  • 写真2

 ヤスデの仲間の身体は多数の体節がつながった形をしていて、各節に脚が生えている。全体としてたくさんの脚を持つので「多足類」と呼ばれる。同じく多数の脚を持つムカデ類も多足類に含められるが、ヤスデとムカデはまったく違うグループである。ムカデの脚は各節から1対ずつ生えているのに対して、ヤスデの脚は各節から2対ずつ(ただし身体の前部の節は1対)生えている(写真3)。また、ムカデは肉食性だが、ヤスデは落ち葉などの植物質を餌とする。

 オビババヤスデの各節は黄色い地色で、各節の後ろ側の縁に黒い模様があるので、全体として黄色と黒の縞模様になっている(写真3)。

  • 写真3

 オビババヤスデは県内では房総丘陵の森だけで見つかっているが、私が目にする機会は少ない。いつもヤスデを探しているわけではないので当然なのだが、見つかりやすい「当たり年」があるのかも知れない。過去の写真を探したところ、2010年と2019年の夏に記録していた(写真4、5)。

  • 写真4 2010/8/24君津市内
  • 写真5 2019/8/1鴨川市内
  • オビババヤスデ Parafontaria laminata(ババヤスデ科)

(尾崎煙雄)