フィールドノート No.2141

 2022/07/14(木)

 絵かき虫

 内浦山にて。アカガシの葉に不規則な線が描かれていた。絵かき虫の仕業だ(写真1〜5)。

アカガシの葉に描かれた線
  • 写真1
アカガシの葉に描かれた線
  • 写真2
アカガシの葉に描かれた線
  • 写真3
アカガシの葉に描かれた線
  • 写真4
アカガシの葉に描かれた線
  • 写真5

 幼虫が葉に潜る習性がある昆虫は、絵かき虫と呼ばれ、チョウ目、ハエ目、コウチュウ目、ハチ目でみられる。

 葉に描かれた模様は様々だ。葉の内部を幼虫が食べ進んだ跡は、細い線から始まり、幼虫の成長と共に線は太くなり、蛹となったか脱出した場所で終わっている。潜孔の形状は曲がりくねったり急に角度が変わったりしているが、これは寄生蜂の寄生から逃れるための対抗策と考えられている(広渡,2009)。

 この日アカガシで見たものはハモグリバエ類の仕業のような気もするが、虫は葉から脱出した後だったので、この絵を描いた虫が何の仲間なのか確かめることはできなかった。

  • 【参考文献】
  • 広渡俊哉(2009) 総論:絵かき虫の生物学. 昆虫と自然44(7):2-3.

(斉藤明子)