フィールドノート No.2164

 2022/08/19(金)

 コバネカミキリ

 清澄山系にて。モミの根元近くでコバネカミキリが静止していた(写真1、2)。

モミの根元に静止するコバネカミキリ
  • 写真1
モミの根元に静止するコバネカミキリ
  • 写真2

 千葉県では15年前に初めて清澄山系から発見され、その後も県内でまだ数匹しか記録されていない珍しいカミキリムシだ。和名のとおり上翅(前翅)が短く、体長の半分程度しかない。甲虫類ではふつう静止しているときには後翅を上翅(前翅)の下にたたんでいるが、このカミキリムシでは腹部の上に後翅が丸見えだ。

 成虫は夕暮れ時に飛ぶことが多い。上翅(前翅)の短いコバネカミキリも後翅を使ってハチのように素早く飛べる。幼虫は各種広葉樹の腐朽した材を食べるようなので、モミに止まっていたのはたまたまだろう。

 この日見つけた個体は体長が10ミリほどしかない小さな雄だ。図鑑には体長は12〜30ミリとあるので、これはミニマムサイズのミニチュアのようなコバネカミキリだった。

  • モミ Abies firma(マツ科)
  • コバネカミキリ Psephactus remiger(カミキリムシ科)

(斉藤明子)