フィールドノート No.2181

 2022/09/30(金)

 ハラナガツチバチの一種

 長柄町にて。ツチバチのメスが何かを探すように地面すれすれを飛んでいた。大きさは3センチほど。胸部が黄色の毛で覆われているので、オオハラナガツチバチだろうか(写真1)。

ハラナガツチバチの一種
  • 写真1

 しばらくすると地面に降り立ったので座り込んで観察した(写真2)。

地面に降りたハラナガツチバチの一種
  • 写真2 ついに地面に降りた

 地面でうろうろした後、土に潜り始めたが、穴掘りに結構難儀をしている(写真3〜6)。

  • 写真3 土を掘り始めた 
  • 写真4 頭を突っ込む
  • 写真5 回りながら掘り進める
  • 写真6 だいぶ潜った

 ついに土中に消えた(写真7)。潜り始めてからここまでの所要時間は11分ほど。穴掘りはあまり上手ではないようだ。

  • 写真7 ついに土中に消えた

 ツチバチ類は土中に生息するコガネムシ科の幼虫に毒針を刺して麻痺させた後、卵を産み付ける。孵化したツチバチの幼虫はこれを食べて育つ。

 この日は運良く、産卵のために土中に潜っていくメスの行動を観察することができた。飛びながら土中の幼虫の匂いを感知できるこの虫の能力には感心させられたが、もうすこし穴掘りが上手でもよいのに、と思った。

  • オオハラナガツチバチ Megacampsomeris grossa(ツチバチ科)

(斉藤明子)