フィールドノート No.2191

 2022/10/14(金)

 ヤマアカガエル

 清澄山系にて。森の中で大きなカエルに出会った(写真1)。落ち葉の散乱する地表でじっとしていると存在に気づかないが、人の気配に驚いて逃げ出したので見つけることができた。

  • 写真1

 ヤマアカガエルの雌だ(写真2)。眼のすぐ後ろにある黒い部分には鼓膜がある。背中の両脇を縦に走る線(背側線)が鼓膜付近で外側に折れ曲がるのはヤマアカガエルの特徴だ。ヤマアカガエルの腹部は黄色みを帯びていることがあるが、この個体は後ろ脚の付け根付近の腹部がきれいな緑色に染まっている。

  • 写真2

 下あごに黒い大きな斑紋があるのもヤマアカガエルの特徴(写真3)。ふくよかな腹部にはすでに卵巣が発達しているだろう。

  • 写真3

 この個体の頭胴長(口先からお尻の先までの長さ)は7センチに達していた(写真4)。ヤマアカガエルとしてはかなり大きい方だ。1月の末から2月ころになれば山を降りて池などの水場に集まり産卵するはずだ。

  • 写真4
  • ヤマアカガエル Rana ornativentris(アカガエル科)

(尾崎煙雄)