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写真42 水郷国定公園 昭和35年(1960) 撮影場所:茨城県東町中島
水郷は古くから風光明媚の地として、訪れる者が少なくなかった。ことに三社参りといって香取神宮・鹿島神宮・神栖神社の3社を巡る途次、シマの景色に興じることは、旅の情緒をより高めるのに恰好の舞台となっていた。昭和2年(1927)東京日日新聞社(現・毎日新聞社)と大阪毎日新聞社の主催で「日本八景二十五勝」の勝景地選定が行われ、水郷は二十五勝の第1位として取り上げられたが、この頃は観光開発の気運が急騰した時期でもある。その後、昭和7年(1932)には水郷佐原観光協会の設立をみ昭和10年(1935)には佐原と香鳥神宮を中心とした神崎ー笹川間の利根川流域が千葉県立公園の指定を受けた。戦後は昭和25年(1950)に毎日新聞社と日本観光地選定会議の主催による「日本観光地百選」の選定で7位となり、以来、日本水郷と呼ばれるようになる。そして、霞ヶ浦から銚子にいたるまでの流域が、水郷国定公園として厚生省から認可を受けたのは昭和34年(1959)のことだった。