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写真59 水汲みa 昭和36年(1961) 撮影場所:千葉県佐原市向津
8月の出穂期を迎えるまでは、1日も欠かすことなく水廻りが続いた。シマの田は傾斜がなく、各々が分離独立していたため、揚水するのも各所をくまなく廻らねばならず、難儀した。特に夏場の炎天下での作業はひと苦労であった。当地では、田に揚水することを水汲みといい、いわゆる踏み車のことは水車(みずぐるま)と呼ぶ。他方、子供たちがクロの上から見つめている。田の仕事は親に連れられ、傍らで遊びながらも覚えていった。