千葉県立中央博物館大利根分館 収蔵資料

 利根川高瀬船「牛堀より霞ヶ浦を望む」   茨城県潮来市牛堀、大正9年(1920)


 『写真集 利根川高瀬船』より 編集千葉県立大利根博物館 発行大利根博物館友の会 
 1994年
 常陸利根川の風景です。船は、真横に近い方向から風を受けて進んでいます。左の2艘とも脚舟を曳いています。右手の岸をたどっていくと、先の方にも1艘見えますが、そこで川幅はかなり狭くなっています。
 この写真が撮られた大正時代末期から昭和時代初期には、尋常小学校を出てすぐの12, 13歳頃から親について船に乗り始めた場合が多かったようです。一人前の目安に「棹先三年、櫓は三月」といわれていました。
 しかしながら利根川高瀬船は、鉄道などの陸上交通の発展や治水政策の転換などにより大きな影響を受けて、昭和時代初期にその姿を消していきました。