千葉県立中央博物館大利根分館 収蔵資料

 錦絵「笠川の髭造」   『近世水滸伝』 三代豊國画


 「天保水滸伝」は、江戸時代末期に利根川下流域で起こった笹川事件を基にした話で、その内容は中国の『水滸伝』を模して作られました。事件の何年か後にこれらを取材した江戸の講釈師宝井琴凌によって「天保水滸伝」が誕生したと言われています。それ以後時代とともにさまざまな作品が世に出されていきました。
 この錦絵は、文久2年(1862)に三代歌川豊國によって作られた「近世水滸伝」で、伊勢屋から出されました。人物名を笠川の髭造というように、実名の笹川の繁藏を変えて使用しています。