会場:千葉県立大利根博物館 第3展示室
日時:3月18日(土)〜5月7日(日)
水郷地域は、利根川の舟運で栄えた佐原などの河岸や、香取・鹿島・息栖の三社詣でを背景に、江戸時代から観光地として発展してきました。明治以降は、汽船・鉄道などの交通アクセスと新聞・雑誌・郵便などのメディアが整備されるにしたがい、詩情あふれる平和な景勝地として広く知られるようになり、今日にいたっています。本展覧会では、観光スポットとして採り上げられてきた自然や風景、町の賑わいや祭り、そして香取神宮の社殿と祭礼など、水郷で写された写真の絵はがき約100点の館蔵資料を展示し、観光地水郷の移り変わりについて紹介します。
水郷の情趣
利根川・汽船・河岸・十二橋めぐり等を撮影した絵はがきを紹介する。
佐原のまち
小野川の舟運・通りの様子・学校・祭礼等を撮影した絵はがきを紹介する。
香取の今昔
香取神宮の社殿・祭礼・神苑・参道の賑わい等を撮影した絵はがきを紹介する。
下総香取ヶ浦 明治末期
佐原市津宮河岸を利根川から見た図で、通運丸が上流から下ってくるところ。当時は、現在の利根川・北浦・外浪逆浦(そとなさかうら)を含んだ地域を「香取ヶ浦」と通称していた。左上に『万葉集』巻十一に載る柿本人麿の歌がある。
「おほふねのかとりうみにいかりおろし
いかなるひとかものおもはさらん」
水郷の情趣 大正末〜昭和初期
岸辺にはあやめ、川を行くサッパ舟には、水車(みずぐるま)とバハとともに牛が乗せられている。水郷の情趣、素朴でのどかなイメージの典型である。薄いが、向こう岸近くには遊覧船が写っている。
(庚戌の大洪水)香取郡佐原町荒川堤防避難の実況 明治43年
庚戌は明治43年の干支。この年は全国各地で洪水の被害があった。写真は、横利根川と与田浦を結ぶ荒川沿いを写したもので、川辺の家々が壊れ、サッパ舟も岸辺に打ち上げられている様子がよくわかる。
水郷の真中十六島の新島村 大正末〜昭和初期
水田から水路であるエンマに水を出している。田植え時期には、水の出し入れを水車で調整した。
佐原町 停車場 明治末期
成田鉄道が佐原まで延びたのは明治31年である。駅舎の前には人力車が並び、大きな街灯も見える。「御中喰」の看板の店先には、板渡しの排水路がある。
会場:千葉県立大利根博物館 第3展示室
日時:5月27日(土)〜6月25日(日)
水郷地域はフナ釣りのメッカとして、毎年たくさんの釣り人が訪れ、数多くのフナ釣り大会が催される場所です。フナは種類も豊富で分布も日本全国にわたり一般によく知られている淡水魚です。今回の展示では、このフナについて生物学的な面ばかりでなく、釣りを通したフナと人との接点についても紹介し、人間と自然とのかかわりを考える機会とします。展示点数は約80点です。
泳ぐ
キンブナ・ギンブナ・ゲンゴロウブナ・キンギョなどフナの仲間を、実物や写真パネルで紹介します。
キンブナ・ギンブナ・ゲンゴロウブナ標本
フナ液標本・フナ骨格標本
フナ生態写真パネル
釣る
フナの釣り方やフナ釣りに使われる道具を紹介します。
ヘラブナ釣りの道具(和竿、浮き等)
ヘラブナの釣り方(ヘラブナ釣り仕掛け)
マブナ釣りの道具(マブナ竿、びく等)
マブナの釣り方(マブナ釣り仕掛け)
その他の漁法(フナウケ、ナガラ等)
楽しむ
釣りをとおしての楽しみかたや魚拓の作り方、放流事業などを紹介します。
ゲームフィッシング(フナ釣り大会、釣り番付等)としてのフナ釣り
魚拓や魚拓の作り方
フナが使われる年中行事
会場:千葉県立大利根博物館 第3展示室
日時:7月8日(土)〜8月15日(火)
佐原市立水生植物園の協力を得て、同植物園で開催される「はす祭り」に併せ、ハスを使用した食品などに焦点を当て展示します。
ハスの生態
写真パネルを中心に、ハスの生態やハスの収穫の様子などを紹介します。
ハスを使った食品
ハスを使ったいろいろな料理を食見本などで紹介します。
ハスを使った工芸品
藕絲織(ぐうしおり)といって、ハスの茎から少量とれる藕絲を利用した織物や、茄糸織(かしおり)といってハスの繊維を使った布や紙を利用した工芸品、ハスの実を利用した工芸品などを紹介します。
県天然記念物 大賀ハス
会場:千葉県立大利根博物館 第3展示室
日時:9月9日(土)〜10月1日(日)
千葉県内の発掘調査で新たに出土した考古資料から、学術上特に価値の高いものをいち早く公開します。
会場:千葉県立大利根博物館 第3展示室
日時:平成12年12月12日(火)〜13年2月25日(日)
移動展示会場
銚子市青少年文化会館 小ホール 平成13年1月18日(木)〜1月31日(水)
旭市総合体育館 1階ホール 平成13年2月2日(金)〜2月21日(水)
内容
小学校4年生の社会科郷土学習「昔のくらし」の参考資料として、学年や学級で観ていただくことを主な目的としていますが、ご家族でこの展示を観ながら、展示された様々な道具を糸口にして、むかしの暮らしぶりや生活の移り変わりについて話をしていただけらば、なお良いと思います。
展示資料は、昭和40年代までの生活用具、約100点です。野良着や産着などの衣類、釜やなべ、せいろ、ほうろくなどの調理道具、洗濯だらいや火のし、行李、また蓄音機や氷冷蔵庫、柱時計などもあります。また、実際に道具を身につけたり、使ってみるコーナーもあります。みのや笠、ぞうりを身につけてみる、ショイコ、天秤棒で荷物を担いでみる、石臼で粉をひく、さおばかりで量ってみる、といった体験ができます。メンコやベーゴマ、お手玉などの遊び道具も準備しています。
むかしを懐かしみながら、ちょっと勉強にもなる一日を過ごしてみてはいかがでしょう。
会場:千葉県立大利根博物館 第3展示室
日時:3月13日(火)〜5月6日(日)
当館が開館以来寄贈・寄託等受けて収蔵してきた古文書を陳列する展覧会で、今回は、「農を営む」をテーマに、水郷地域の農業の歴史について、新島の成立から、近世から近代の土地、農書、稲の品種、農具の種類など、かつての水郷の農業を、古文書とその解説、及び関係資料で紹介します
新島の成立
水郷地域の中でも、近世初頭になって成立した新島領の沿革について、由来書や絵図によって紹介する。
貞享3年(1686)村境取決絵図 個人蔵
延宝6年(1678)水面隠田見分境裁許絵図写 香北土地改良区蔵
明治24年(1891)千葉県下総国香取郡十四ヶ村全図 館蔵
年欠 新嶋領覚書 個人蔵
天保14年(1843)天正年中より元禄年中迄之古書改清書覚 館蔵
元文5年(1740)加藤須村開基覚 館蔵
新島の農地
頻繁に起こる水害によって収穫が安定しなかった新島領が、近世中期になってようやく村高が確定した延享元年の検地や、その後の農地の拡大や維新時の農地確保の対応などを紹介する。
天保15年(1844)村明細帳 個人蔵
延享元年(1744)下総国香取郡新嶋領加藤洲村検地野帳 館蔵
文政12〜天保3年(1829〜32)本田新田為取替議定書 館蔵
天保13年(1842)御用留 館蔵
天保15年(1844)村明細帳 個人蔵
明治17年(1884)新嶋領地券丈量簿 館蔵 他
農書のひろまり
近世は農書の時代といわれるように、農業技術・育種技術が飛躍的に発展した。そうした発展を跡付ける農書と、近代になって紹介された外国の農書を紹介する。
文化15年(1818)草木育種 上巻(版本) 館蔵
明治年間 農具便利論 上・中・下(版本) 館蔵
年欠 馬医書 全(写本) 館蔵
明治7年(1874)農業三事 上・下(版本) 館蔵
明治8年(1875)斯氏農書 17巻(版本)、斯氏農業問答 3巻 館蔵 他
百年前の米
水郷ではどんな米を作ってきたのか。約百年前の古文書に記された稲の品種と、その中の一部を実物で紹介する。
慶応3年(1867)当卯田植中日記控 館蔵
明治4年(1871)当未早稲晩稲稲苅帳 館蔵
明治26年(1893)稲把簿 館蔵 他
農具をそろえる
近世末期の新島領の一軒の農家が5年間に買い揃えた道具控えを元に、当時の農具の種類を一部実物をまじえ紹介する。
安政7年(1860)諸道具求帳 館蔵
農の智恵
農を営む際に、最も役立つのは先祖からの伝承と経験である。そうした民族知識と、近代になって各地で開発され始めた農機具に関する資料を紹介する。
安政5年(1858)蒔物万覚帳 館蔵
大正6年(1917)鈴木式俵編機発売の広告 館蔵 他
『農具便利論』明治年間 上・中・下(版本)農学者大蔵常永(1766〜?)が著した書である。