昭和45年までは銀行として営業していたが，現在は自転車店の住宅兼店舗になっている。正面中央に上げた円形飾りの浮き彫りを持つ円弧状の破風がまず目を引く。木造の表面にモルタルを塗り，目地をつけて石造に見せかける手法は，当時の商業建築特有のものである。中央部壁面がやや全面に張り出しており，また破風の脇には渦巻きを模したような装飾が添えられ，バロックの建築を思わせるところもある。縦長の開口部には上げ下げ窓が残っている。玄関庇を支える持ち送りも良くデザインされている。［江口］

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