69 鈴木家住宅


所在地 館山市
竣工年 T13
所有者 個人
設計者 横浜の人
施工者 吉田
構造

木2

外壁 モルタル塗り
屋根形状・葺材 寄棟造,スレート葺
建築規模 325.1m2

鈴木家は,江戸時代には屋号を「南部屋」と称し,南部藩の常宿を務めた家柄であったという。明治21年に旅籠を廃業して医院を開業,以来地域における民間医療機関として発展してきた。地元では,赤い門柱のある医院ということから「赤門」の名で呼ばれている。

鈴木医院も大正12年の関東大震災に遭遇し,建物を翌年9月までかけて建て替えたのが現在の住宅で,医療部分は別棟の木造建築であったが,近年鉄筋コンクリート造4階建ての建物に建て替えられている。

住宅は道路から奥まった場所に建ち,主屋の両脇に妻を正面に向けた総2階建ての突出部を設け,中央に周囲吹き放ちのポーチを突き出した洋風の外観になる。ポーチ廻りは,柱頭飾やエンターブラチャーの細部様式をローマドーリス式のデザインで統一し,妻破風を三角ペジメントの重厚な表現としている。主屋廻りは,両脇突出部の半切妻の母屋受けに円弧状の持送りを付けたり,細い縦桟を組んだ上げ下げ窓を設けるなどした軽快な手法になる。内部は,1階が中央に中廊下式のホールをとって左右に和風の応接間と洋風の台所等の生活部分,2階が個室やベランダのある洋風の仕上げとなっている。[中村]


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