特 別 展

平成8年7月27日から9月1日まで開催されました。

利根川ハイウェー

〜利根川水運の盛衰を探る〜

1 近世の河川交通  2 利根川流域の経済の発達と江戸の賑わい  
3 利根川流域の水運史  4 近代河川交通の発達と衰退  

展示資料一覧  展示協力者

近世の交通
 江戸幕府は陸上交通の主要幹線道路として、江戸日本橋を
起点とする東海道・中山道・甲州街道・日光街道・奥州街道を
「五街道」として整備しました。
  陸上交通に比べて、一度に大量の物資を輸送できる水上交
通は、近世においてはまさに物流の大動脈でした。江戸・大坂
間には菱垣回線・樽廻船が定期的に運航され、各地で港町が
発達しました。また、角倉了以(すみのくらりょうい)によって開
かれた富士川や高瀬川の水運をはじめ、全国の主だった河川
に内陸水運路が開かれることになりました。

松戸駅舟橋行列之図(当館)
利根川流域の経済の発達と江戸の賑わい
 大消費地江戸の生活をを支える大量の物資は全国から集まりま
したが、なかでも醤油や酒などの醸造製品は西日本からの「下り
もの」が、主要な地位を占めました。しかし利根川水運の発展に
より流域で各種の産業が誕生し、江戸市場で占める割合が増えて
きました。
  江戸は幕府の旗本や御家人をはじめとする武士や多くの庶民が
済む大消費地であり、18世紀初頭には世界最大の人口を抱える
都市でした。

江戸名所図会(当館)
利根川流域の水運史
 江戸時代初期の利根川東遷事業の完成により、関東各地と大消費
地江戸とが利根川及びその支流を介して直結され、流通形態が大きく
変貌しました。
  物資を大量に、しかも安価で輸送できる手段として各種の川船がハ
イウェーさながら川を往来していました。なかでも最大約1300俵もの
米俵を積むことのできた高瀬船は利根川水運の主役を担いました。

関宿棒出しを航行する高瀬船
(個人)
近代河川交通の発達と衰退
 近代に入り、西洋文明が導入されると、より早く大量の輸送が可能になりました。明治5年(1872)の鉄道開業は、日本における近代化の象徴的な出来事でした。明治10年(1877)には利根川水系に蒸気船通運丸が就航しました。
  しかしその一方で鉄道や道路といった陸上交通網がしだいに整備されてくるに及んで河川交通がしだいに衰退していきました。

運河を行く外輪船(野田市史編さん室))

展示資料一覧

○近世の交通
関東八州全図(当館)、浮世絵光氏大井川遊覧の図(たばこと塩の博物館)、船鑑札(栃木県立博物館)、御廻米札(当館)、東叡山御用会符(利用運送振興会物流史料館)、日本航路細見記(当館)
○利根川流域の経済の発達と江戸の賑わい
木綿問屋看板(真岡市教育委員会)、木綿問屋うちわ絵(真岡市教育委員会)、木綿製品(栃木県立博物館)、諸荷物駄賃船賃定帳(境町歴史民俗資料館)、塚田家旧新記録(塚田元成)、日本博覧図寺田菊之助酒醸造所(寺田啓佐)、酒瓶ラベル(千葉県立大利根博物館)、江戸名所図絵(当館)、江戸職人歌合(たばこと塩の博物館)、江戸景観図(国立歴史民俗博物館)、江戸繁昌記(国立歴史民俗博物館)、江戸図屏風(国立歴史民俗博物館)
○利根川流域の水運史
船鑑(船の科学館)、香取神宮参詣図(野田市)、船箪笥(青木登)、利根川名所勝景図絵(船橋市西図書館)、錨(境香取神社)、相馬日記(当館)
○近代河川交通の発達と衰退
汽船航路案内(野田市史編さん室)、東京両国通運会社川蒸気往復盛栄真景之図(当館)、回漕問屋開業広告(当館)、汽船古川丸営業広告(高野進)、千葉県営鉄道案内(野田市郷土博物館)、武州川口鉄橋図(埼玉県立博物館)、東京高輪海岸蒸気車鉄道之図(成田山霊光館)


展示協力者

(敬称略)

国立歴史民俗博物館 群馬県立歴史博物館 群馬県立文書館 埼玉県立博物館 千葉県立大利根博物館 栃木県立博物館 小山市立博物館 境町歴史民俗資料館 野田市郷土博物館 船橋市西図書館 神崎町教育委員会 野田市史編さん室 水海道市教育委員会 真岡市教育委員会 たばこと塩の博物館 東武博物館 成田山霊光館 (財)利用運送振興会物流史料館 船の科学館 朝日新聞社 毎日新聞社 キッコーマン株式会社 境香取神社

青木登 海老原伸夫 小泉正平 五木田昭二 小松原康之助 鈴木勇 鈴木豊一 瀬能泉 高野進 塚田元成 寺田啓佐 林保 山中金三


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