イソギンチャクは、他の生きものがいやがる毒液カプセル「刺胞(しほう)」を持っています。それでは刺胞を持った危険なイソギンチャクを襲う生きものは全くいないのでしょうか?
実は、刺胞をものともせず、イソギンチャクを食べる生きものは、貝類などを中心に決して少なくありません。ただし、イソギンチャクだけを食べている生きものとなるとかなり限られてきます。その中でも代表的なのは、イトカケガイ類という巻き貝の仲間です。この仲間は全てイソギンチャク類を中心とした刺胞動物を食べています。他にも、ウミウシの仲間のオオミノウミウシやヤマトワグシウミウシは、もっぱらイソギンチャク類を食べることが知られています。やはりイソギンチャクより上手はいるものなのです。