櫻田精一は、明治43年、熊本県に生まれました。新宿区にあった日本美術学校で学び、小絲源太郎に 師事しました。父の転勤に伴い朝鮮に渡り、現地で教員生活を送り朝鮮美術展覧会で活躍しました。帰 国後は、日展、光風会展で活躍し、日展菊華賞などを受賞。日展評議員、千葉県美術会常任理事などの要職を歴任しました。
この作品は、自宅のあった野田市近郊の金杉の水門を描いたもので、画面に人影はなく、一見早春のひっそりとした江戸川べりの風景ですが、戦争も終わり、新天地の野田で絵が描けるという晴れやかな心情が、込められています。